2008-01-01から1年間の記事一覧

無題

・Roman Jakobson, A Few Remarks on Peirce Pathfinder in the Science of Language,MLN,vol.92,no.5,Compartive Literature,The John Hopkins University Press,1977.言語学者ローマン・ヤコブソンによるパースの紹介。クラインの「エルランゲン・プログラ…

ジルベルト・シモンドンは哲学者である。 たとえその議論の多くが化学や熱力学に依拠しているとしても、彼の目的がいつも、実在性を描き出すことだけに向けられているからだ。シモンドンにとっての問題は、個体が今ここにおいて存在していること、すなわち、…

ネガとしての『AO』と、ポジとしての『MP』を語るために。

小泉義之、「意味の地質学、人類の腫瘍学―『悲しき熱帯』を読む―」、『思想』第一〇一六号所収、2008年、岩波書店。レヴィ=ストロースは『悲しき熱帯』において、戦後の社会に通底する基本構造としての「理念的な目録」(大地の主−意味)から現実的な習俗へ…

「男/女という二つの性しかないことが特異な形で、〈n個の性〉が一般的だと、マーグリス/セーガンはいう。」(真木悠介、『自我の起源 愛とエゴイズムの動物社会学、岩波書店、2008年。) だからといって、人間における性の区別が言語的に構築されているわ…

視覚によって私はさまざまな度合の光や色の観念を持つ。触覚によって私はたとえば固さや柔らかさ、熱さや冷たさ、動きや抵抗を知覚する。それらは互いに連れ立って観察されるため、例えば「リンゴ」という一つの名で呼ばれる。とはいえそれは、これらもろも…

雑文

檜垣立哉氏の「生殖と他者―レヴィナスを巡って―」(『実存思想論集XXII』所収2007年)を読みつつ。 無底の〈イリア〉から成立した自己に対して、他者は二つの様態で現れる。一方は、「汝殺すなかれ」という命法によって、自己の自己触発的な充足状態を解体す…

ルイ・イェルムスレウ、「構造的言語学」(1948) Louis Hjelmslev, "Linguistique structurale"(1948) 「構造的言語学(linguistique structural)ということによって理解されるのは、ある仮説に基づく探究の総体である。すなわち、その仮説によると、言語…

A.J.グレマス、「ソシュール主義の現在性」(1956年) "L'actualité du Saussurisme"(Texte paru dans Le français moderne,1956,n°24, pp.191-203.) 「しかしながら、もろもろの言語学―構造的と歴史的―の調停が可能なのは、まさにそれが自ら生み出す言語学…

ミシェル・フーコー、「汚辱に塗れた人々の生」、『フーコー・コレクション6生政治・統治』所収、小林康夫ほか訳、ちくま学芸文庫、2006年。 権力はいかにして日常に入り込むのか。 キリスト教的西欧は「告解」によって、「日々の世界の細片、平凡な過ち、知…