無題

・Roman Jakobson, A Few Remarks on Peirce Pathfinder in the Science of Language,MLN,vol.92,no.5,Compartive Literature,The John Hopkins University Press,1977.

言語学者ローマン・ヤコブソンによるパースの紹介。クラインの「エルランゲン・プログラム」との類似を引き合いに出したり、構造言語学先駆者のひとりと位置づけるなど、やや自身の「構造的」読みに引き寄せすぎの感はある。しかし、パースの記号論に対する志向は、科学的研究を主として展開された前期の時点から一貫しており(ヤコブソンによるとその最初のスケッチは1867年に遡る)、世紀の変わり目を境に洗練されていったのだという指摘は重要だ。