2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「男/女という二つの性しかないことが特異な形で、〈n個の性〉が一般的だと、マーグリス/セーガンはいう。」(真木悠介、『自我の起源 愛とエゴイズムの動物社会学、岩波書店、2008年。) だからといって、人間における性の区別が言語的に構築されているわ…

視覚によって私はさまざまな度合の光や色の観念を持つ。触覚によって私はたとえば固さや柔らかさ、熱さや冷たさ、動きや抵抗を知覚する。それらは互いに連れ立って観察されるため、例えば「リンゴ」という一つの名で呼ばれる。とはいえそれは、これらもろも…

雑文

檜垣立哉氏の「生殖と他者―レヴィナスを巡って―」(『実存思想論集XXII』所収2007年)を読みつつ。 無底の〈イリア〉から成立した自己に対して、他者は二つの様態で現れる。一方は、「汝殺すなかれ」という命法によって、自己の自己触発的な充足状態を解体す…