博論製本

f:id:takuyak56:20140307002829j:plain

業者に依頼していた博論の製本版が届き、先日、大学へ提出してまいりました。二冊で1万円ほどしましたが、他社の半額でした。いずれ全文がインターネットで公開されるはずです。

 

モデルニテ・バロック―現代精神史序説

モデルニテ・バロック―現代精神史序説

 

 比較的前に手にしていたものの、落ち着いて読む機会を逸していた。半分ほど読む。モーツァルト・カント・萩原朔太郎に見出される「理性の不安」(モデルニテ)。ギリシャ語の「ロゴス」がラテン語に入り分岐した「ラチオ」と「ヴェルブム」。後者がライプニッツ、ヘルダーといったバロック的な「ヴェルブム・メタフィジーク」へ、さらにはパース(のおそらくは連続主義)へと地下水脈のように連なる「千年単位の歴史の展望」(53)が披瀝される。こうしてみると、恩師のH先生がきわめて戦略的にこの坂部哲学を追随しているのがよく分かる(九鬼、時間論(永遠回帰)、バロック哲学、ベンヤミン)。