ニーチェとガダマー、ニーチェとドゥルーズ、系譜学と地質学

今日はENSへ、エラスムス・ムンドゥスの研究会(「ニーチェとの対話」)に顔を出す。午後から出席したのだが、午前中の発表が残っていたらしく、急にSebastian Pilz氏という方のドイツ語の発表がはじまって驚いた。

そして、日本に何度も来られているアルノー・フランソワ氏による総括というか、問題提起というか。アルノー氏は、ニーチェの系譜学とガダマーの解釈学の近接性を指摘したあと、系譜学の条件を三つ挙げておられた(①起源に遡ること、②あらゆる既成の言説を拒絶すること、③残念ながら聞き取れませんでした)。そして、フーコードゥルーズに共通するのは、ニーチェの系譜学(généalogie)の根底に地質学(géologie)を位置づけ、それを哲学的な方法論(いわゆるgéophilosophie)として採用することだ、という話。午前の発表の多くが、ニーチェドゥルーズ=ガタリの関係について論じていたようだが、討論を聞いている限りは、「似ている」という印象以上の議論がなされていたようには思われなかった。


やっと「合目的性」の議論に入り、道筋が見えて来た。